政府も「介護離職ゼロ」の目標など、さまざまな取り組みを進めています。
少子高齢化により労働人口が減少している中で、企業が生き残っていくためには従業員が安心して働ける職場づくりが重要となってきています。政府も「介護離職ゼロ」の目標など、さまざまな取り組みを進めています。
近年、親や介護のために、やむを得ず仕事を辞める「介護離職」が増加しています。介護に直面する従業員は、企業において中核的な人材として活躍している場合も多く、こうした人材の離職を防止することは、企業の持続的な発展にとっても重要だと考えられています(厚生労働省,2018)。企業力強化のためにも、企業は介護と仕事の両立を支援するために「介護休業制度」を設けることが重要です。
介護離職を防ぐため、様々な働き方や制度があります。
介護が必要な家庭1人について、通算して93日まで、3回を上限として分割して休業できる制度。介護休業期間中は、要件を満たせば「介護休業給付金」として雇用保険から休業前の賃金の67%をハローワークから支給してもらうことができます。
介護が必要な家族1人につき、1年度に5日まで、対象家族が2人以上の場合は1年度に10日まで、介護休業や年次有給休暇とは別に1日単位または時間単位で休暇を取得できる制度
事業主は以下のa~dのいずれかの制度(介護が必要な家族1人につき利用開始から3年以上の間で2回以上の利用が可能な制度)を作る必要があります。
a 短時間勤務制度:日単位、週単位、月単位などで勤務時間や勤務日数の短縮を行う制度
b フレックスタイム制度:3カ月以内の一定期間の総労働時間を定めておき、労働者がその範囲内で各自の始業・終業時刻を自分で決めて働く制度
c 時差出勤制度:1日の労働時間は変えずに、所定の始業時刻と終業時刻を早めたり、遅くしたりする制度
d 労働者が利用する介護サービスの費用の助成、その他これに準ずる制度
介護終了まで利用できる残業免除の制度
従業員にとって働きやすい環境を作ることで、従業員の離職が減り、貴重な人材を失うことを避けることができます。また、両立支援制度を利用できる可能性がある職場では、従業員も長期視点を持って安心して働くことができるので、従業員のモチベーションや意欲向上にも繋がります。
介護休業や介護両立支援制度を整備し、利用した場合に助成される助成金があります。
就業規則などへの明文化・労働者への周知徹底や従業員との面談、介護支援プランの作成、業務引継ぎなどを実施することで介護休業取得の場合、休業取得時30万円、職場復帰時30万円(業務代替支援加算:新規雇用の場合20万円、手当支給などの場合5万円)の支給、介護両立支援制度の場合30万円の支給が受けられます。いずれも1事業主1年度5人まで申請可能となります。
詳しくは是非厚生労働省のHPをご覧ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/shokuba_kosodate/ryouritsu01/index.html
【参考サイト】
厚生労働省(2018)「企業ための仕事と介護の両立支援ガイド」
https://www.mhlw.go.jp/content/000490099.pdf(閲覧日:2023年10月24日)
厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/ryouritsu/kaigo/ (閲覧日:2023年10月24日)