この時期は特に減量に取り組んでいる方や、取り組まなければと考えている方が多いのではないでしょうか。
そこで、今回は身体の活動強度を表す単位を用いて、簡単に計算できる身体活動時の消費エネルギーについて紹介します。
【身体の活動強度を表す(METs)とは】
身体活動による消費エネルギーを把握するために、身体活動の強さの度合いを表すメッツ(METs)という単位が役立ちます。メッツは座って安静にしている状態の活動強度を1とし、安静時の何倍の負荷が身体にかかっているかを示す値です。
例えば、歩行に関する身体活動については、以下のような値が算出されています。
・とてもゆっくりした歩行(時速3.2㎞未満)・・・2メッツ
・普通歩行(時速4.0㎞)・・・3メッツ
・ゆっくり階段を上る・・・4メッツ
・速歩(時速6.4㎞)・・・5メッツ
・ゆっくりとしたジョギング(時速6.4㎞)・・・6メッツ
・ランニング(時速8.4㎞)・・・9メッツ
ランニングの活動強度は9メッツなので、安静時に比べて9倍の負荷がかかっている(=エネルギー消費している)という事です。
メッツ表には様々な活動について数値が算出されています。日常、何気なく行っている動作や運動が、どれ位の強度か確認してみるのも興味深いと思います。
座位安静時(1メッツ)の1時間あたりのエネルギー消費量は、1.0(kcal)×体重(kg)に相当します。つまり、エネルギー消費量は下記のように計算できます。• 安静時代謝を含んだエネルギー消費量(kcal)≒活動強度(メッツ)×時間(h)×体重(kg)
例えば、3メッツのウォーキング(時速4㎞)を10分行った場合、以下のように推定できます。• 体重50kgの方のエネルギー消費量・・・3(メッツ)×1/6(h)×50(kg)≒25kcal • 体重100kgの方のエネルギー消費量・・・3(メッツ)×1/6(h)×100(kg)≒50kcal
このように、同じ運動を同じ時間行なっても、体重によって消費エネルギーが変わります。
また、同じ時間、身体活動をしたとしても、「ゆっくり水泳を行う」(6メッツ)と、
「ボウリングを行う」(3メッツ)では、エネルギー消費量は倍近く異なります。
身体活動量の基準(日常生活で体を動かす量)18~64歳では、「強度が3メッツ以上の身体活動を23メッツ・時/週」行なうことが理想とされています。
運動量の基準(スポーツや体力づくりを目的とした運動で体を動かす量)
18~64歳では、「強度が3メッツ以上の運動を4メッツ・時/週」行なうことが、生活習慣病予防に効果的といわれています。
ちなみに、「3メッツ以上の運動」とは、汗をかき息が弾む程度の運動強度を指します。
効果的な減量に取り組むためには、食事内容に気をつけるだけでは十分ではありません。
身体活動のメッツを参考にし、消費エネルギーを意識しながら、日常生活の中で無理なく取り入れられることや、楽しく続けられることを見つけて、身体活動量を少しずつ増やし、効果的な減量を目指していきましょう!